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はじめに
プログラミングの歴史は、コンピュータの発展とともに歩んできました。最初のコンピュータは機械語で直接プログラムされていましたが、プログラマーの需要の増大とともにさまざまな言語、パラダイムが登場しました。本記事では、プログラミング言語の進化と主要なプログラミングパラダイムについて詳しく解説します。
プログラミングの進化とパラダイムの変遷
カテゴリ | 説明 |
---|---|
機械語 | 最初のコンピュータは機械語でプログラムされていました。機械語はコンピュータが直接解釈できる言語であり、バイナリコードで表現されます。 |
アセンブラ言語 | 機械語の可読性の低さを解決するため、アセンブラ言語が開発されました。アセンブラは、機械語に対応する短い英単語(ニーモニック)を使用し、人間がより理解しやすくしました。 |
高級言語の登場 | 1950年代後半には、FORTRAN、LISP、COBOL などの高級言語が登場しました。高級言語は人間にとってより理解しやすい構文を持ち、コンパイラを通じて機械語に変換されます。 |
手続き型プログラミング | 高級言語の初期の形式の一つ。プログラムを手続き(関数や手順)の集まりとして記述します。代表的な言語には C 言語や Pascal があります。 |
オブジェクト指向プログラミング | 1970年代にアラン・ケイが開発した Smalltalk を原型とし、C++、Java などが登場しました。オブジェクト指向は、プログラムをオブジェクト(データとメソッドの集合)として扱い、コードの再利用性や保守性を向上させました。 |
関数型プログラミング | 数学的な関数の概念に基づき、状態や副作用を極力排除することを目的としたパラダイムです。代表的な言語には LISP、Haskell、Scala があります。 |
各プログラミングパラダイムの例と解説
機械語の例
10101000 11001011 00000011 10010100
このコードは、特定のメモリアドレスに値を格納し、それを加算する処理を行います。人間が理解するのは至難の業であることが容易に想像できると思います。
アセンブラ言語の例
MOV AX, 10
ADD AX, 20
このコードは、AXレジスタに10を代入し、それに20を加算して結果を保存します。まだ現在のプログラミング言語には及びませんが、多少読みやすくなりました。
高級言語の例(FORTRAN)
PROGRAM ADDITION
INTEGER :: a, b, result
a = 10
b = 20
result = a + b
PRINT *, result
END PROGRAM ADDITION
このコードは、整数 a, b に値を代入し、それらを加算して結果を表示します。ここまで来るとかなり読みやすいのではないでしょうか。高級言語の開発でプログラマへの参入難度がかなり下がったと言われています。
手続き型プログラミングの例(C言語)
#include <stdio.h>
int main() {
int a = 10, b = 20;
int result = a + b;
printf("%d\n", result);
return 0;
}
このコードは、二つの整数を加算して結果を出力するC言語のプログラムです。ポイントはサブルーチンの導入ですね。これによりコードのメンテナンス性が大いに向上したため、現在でも数十年前のコードが現役で動いているプログラムもたくさん存在しています。
オブジェクト指向プログラミングの例(Java)
class Addition {
public static void main(String[] args) {
int a = 10, b = 20;
int result = a + b;
System.out.println(result);
}
}
Javaのオブジェクト指向プログラミングの例として、整数の加算結果を表示するコードです。こちらがこれから学習するJavaのコードです。オブジェクト指向の導入により、正しく設計、開発を行えば、C言語と比べてもさらにメンテナンスがしやすく、長期の実用に耐え得るプログラムを開発することが可能です。
関数型プログラミングの例(Haskell)
addNumbers :: Int -> Int -> Int
addNumbers a b = a + b
main = print (addNumbers 10 20)
Haskellにおける関数型プログラミングの例として、加算処理を関数として定義し、その結果を出力するコードです。こちらは見慣れないかと思いますが、Javaにも関数型言語から輸入された記法がありますので、いずれは身近なものとして使いこなせるようになるでしょう。
プログラミングの未来
プログラミング言語は、時代とともに進化し続けています。近年では、人工知能(AI)やデータサイエンスの台頭により、Python や R のような言語が人気を集めています。また、関数型プログラミングの考え方がモダンな言語(Kotlin、Swift など)に組み込まれるなど、パラダイムの融合が進んでいます。
今後も新しいプログラミング言語や技術が生まれ、より効率的かつ直感的な開発手法が求められるでしょう。
今回の記事でプログラミングの歴史に興味が湧いたという方には以下の『オブジェクト指向でなぜつくるのか 第3版』という本をお勧めします。プログラミング言語はオブジェクト指向にどのようにたどり着いたのか、また、オブジェクト指向がどのように応用されているかをわかりやすく解説してくれています。